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QGIS2.8の新機能

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ひと月ぶりの更新ですね。

2015年3月にQGIS2.8がリリースされています。
スタンドアロン版は、3月5日現在、まだダウンロード出来ないようですが、
OSGeo4W版は、ダウンロードすることが出来ます。
3月8日現在、スタンドアロン版2.8.1がダウンロードできます。
ダウンロードサイトはこちら
OSGeo4W版のインストール方法は、こちらの記事に書いてありますので参考にしてください。

QGIS2.8wien(ウィーン)は、私にとって非常に魅力的な更新がいくつかありましたので、
紹介したいと思います。

英語ですが、http://changelog.linfiniti.com/qgis/version/2.8/ に更新内容が書いてあります。
このページを参考にしています。



■ データ結合した時に結合するデータの接続文字を自由に設定できる

これは非常に嬉しい機能アップです。
以前までは、レイヤのプロパティで属性データを「結合」した場合、
結合した側のレイヤ名がフィールド名にくっついてきました。

Image 2015_03_06_225642.jpg
赤枠の部分が結合したデータです。

このようにレイヤ名がフィールド名にくっつくので、名前をつけて保存して、
Shapeファイルに保存すると、半角10文字までの制限に引っかかり、
フィールド名が変更されてしまいました。

このフォールド名の頭につける文字を自由に指定できるようになりました。
もちろん空白も指定できます。
ただし、空白の場合は、同じフォールド名が無いことを確認して下さい。
同じ名前のフィールドは表示されません。

Image 2015_03_06_230212.jpg
赤い枠の部分に接続文字列を入力します。



■ 一時的なレイヤを簡単に作成できる

ベクタレイヤは、Shapeファイルなどをレイヤとして追加しないと、図形を書くことが出来ませんでいた。
しかし、QGIS2.8からは、一時的にメモリに記録するレイヤ(スクラッチレイヤというようです)を
作成できます。
以前もプラグインなどでスクラッチレイヤを作成することが出来ましたが、
ベクタレイヤの新規作成でスクラッチレイヤを作成することが出来ます。

Image 2015_03_06_232019.jpg
ベクタレイヤの追加に、「新しい一時スクラッチレイヤ」が追加されています。

これで、ちょっと図形を書きたいときなどに、いちいちShapeファイルを作らなくても、
ベクタレイヤを追加することが出来ます。

スクラッチレイヤは、一時的なレイヤなので、QGISを閉じると図形は消えてしまいます。
消したくない場合は、名前をつけて保存で、Shapeファイルなどに保存してください。



■ 属性データの更新に、選択したものだけを更新するボタンが追加された

属性データを更新する場合には、フィールド計算機を起動しなくても属性テーブルの上段で、
計算式を入力し、データの更新が行えますが、ここに、「選択の更新」ボタンが追加されました。
選択した行だけを更新できます。

Image 2015_03_06_232604.jpg



■ 地物の追加時に線の長さや、角度が指定できる

「先進的なデジタイズ」ツールバーに三角定規のようなアイコンが追加されていて、
地物の新規追加時に有効になります。
このアイコンを有効にすると、線の長さや角度を指定して図形を作図できます。
まるでCADのようです。

Image 2015_03_06_233054.jpg

定規のようなアイコンが追加されている。

以前はImproved Polygon CapturingプラグインやCADToolsプラグインで
行っていたのですが、それが標準で出来るようになりました。これは便利!

Image 2015_03_06_233442.jpg

100mの長さの25度の線を引いたところ
dに100と入力し、aに25と入力する

スナップを有効にすると、すでにある線から垂直や平行な線、
また、作図モードボタンを有効にすると、
任意の点からの距離なども指定できます。
(作図モードを使用する場合、任意の点をクリックしたら、作図モードをオフにする必要があります)



■ スナップの改良

作図時のスナップも改良されています。
(スナップは<設定>→<スナップオプション>)
「カレントレイヤ」と、「全てのレイヤ」が選択できるようになっています。
今までと同じ、レイヤを選択するモードもあります。

Image 2015_03_06_235554.jpg

選択できるようになっています。



■ 「ルールに基づいた」でスタイル設定した時のレイヤのツリー表示

レイヤのスタイル設定を「ルールに基づいた」にした場合で、
ルールにサブルールを作った場合、2.6までは、レイヤの表示がツーリー表示にならなくて
表示非表示の切り替えがしづらかったのが改良されています。

Image 2015_03_07_002600.jpg

ルールに基づいたで、「現在のルールを改良する」ボタンでサブルールを作る。


Image 2015_03_07_002325.jpg Image 2015_03_07_002351.jpg

左が2.6の場合、右が2.8の場合で、2.8はレイヤがツリー表示になっている



■ 一つのレイヤに複数のスタイルを設定できる

レイヤに複数のスタイルを設定し、簡単に切り替えることが出来ます。

Image 2015_03_07_003448.jpg
レイヤ右クリック→スタイルで切り替えられます。



■ キャンパスが回転できます

地図画面を回転することが出来ます。

Image 2015_03_07_003748.jpg

回転角度を指定でき ます

タイルマッププラグインなどはまだ対応していないようです。



以上、QGIS2.8の新機能の中から、私の気になったものを幾つかピックアップしてみました。
ほかにも、コンポーザーの関係や、ラスタレイヤのスタイルなど、
便利になった機能がありますので、ぜひ確かめてみてください。



<お知らせ>
林業専門誌「現代林業」2015年4月号に私のインタビュー記事が掲載されます。
また、5月号、6月号でQGISを森林GISとして使っていくためのノウハウを
記事として掲載していただく予定です。

林業関係の方、そうでない方も、ぜひお読みいただければと思います。

現代林業のページ





QGISのPhoto2Shapeプラグインのエラー対処法

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2015年4月現在、QGISのPhoto2Shapeプラグインのバージョンは0.5なのですが、
標準の状態でQGISのプラグインインストーラーを使ってインストールすると、
「プラグインが壊れています」というエラーが発生します。

QGISプラグインの公式チケットにはエラーの対処法が書いてあったのですが、
イマイチ理解できませんでした。

OSGeoのメーリングリストで質問したところ解決しましたので、
メモしておきます。
(M島さんありがとうございました)

<対処方法>
  1. 次のページにアクセスして、「Downloads↓」ボタンをクリックします。
    https://pypi.python.org/pypi/ExifRead

  2. 「ExifRead-2.0.2.tar.gz(md5)」をダウンロードして、解凍します。

  3. 解凍されたフォルダの中の「exifread」フォルダをコピーします。

  4. スタンドアロン版のQGISの場合、インストールしたフォルダの、
    \apps\Python27\Lib\site-packages
    に貼り付けます。
    (標準であれば「D:\Program Files\QGIS Wien\apps\Python27\Lib\site-packages」)

  5. Photo2shapeプラグインをインストールします。

以上で使用することが出来るようになりました。

なお、Photo2Shapeプラグインの使い方などは、
こちらのサイトが詳しいので参考にしてください。


新しいバージョンでは、サブディレクトリの検索と、既存のファイルへの追加が
出来るようになったようです。

Image 2015_04_14_235008.jpg



FOSS4G Hokkaido 2015に参加してきました

地理院の地図コンテンツの利用規約がわかりづらい?

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現在、国土地理院の地図は、地理院地図として地図タイルで利用できるようになっています。

この地理院地図の地図タイル画像(「地理院タイル」といいます)を利用するために、
利用規約があるのですが、イマイチわかりづらいということで、
わかりやすまとめてみようと思います。

ただし、国土地理院に確認した事項もありますが、私がWebサイトを読んで、
理解した項目もあるので、実際に利用するためには、国土地理院にお問い合せください。


地理院コンテンツとは?

 まず、利用規約を読んでわかりづらいのが、「地理院コンテンツ」という言葉です。
地理院コンテンツとは、国土地理院が提供するデータのことです。

地理院地図のタイル画像、空中写真、基盤地図情報のダウンロードデータなど、
国土地理院のホームページでダウンロード出来るデータが、すべて「地理院コンテンツ」です。

 利用規約は、すべての地理院コンテンツに共通する事項が記載されています。


出典明示だけで地図が使えるのか?

 一見、利用規約だけ見ると、出典明示だけで地図が自由に使えるような気がしますが、
実はほとんどの地図は自由には使えません。

 そこには、利用規約に書いてある
4) 個別法令による利用の制約があるコンテンツについて
が適用される地図があるためです。

 「個別法令」とは、おもに「測量法」です。
測量法の「29条(使用)」と「30条(複製)」に関する事項が適用され、申請が必要となります。

 基盤地図情報などは「基本測量成果」なので、当然測量法に基づく申請が必要になります。

 そして、地理院タイルも元は基盤地図情報を使っているものは、「基本測量成果」なので申請が必要です。


どの地図が基本測量成果なのか?

 では、地理院タイルのどの地図が「基本測量成果」を使用しているのでしょうか?
これは、地理院タイルの一覧で確認することが出来ます。

この一覧で、緑色になっていて、備考欄に
この地理院タイルは基本測量成果(名称:電子地形図(タイル))です。
と記載されている地図が、すべて基本測量成果です。

「標準地図」、「淡色地図」は、基本測量成果ですので、使用または複製の申請が必要です。



申請なしで利用できる範囲

 上記のような基本測量成果を利用した地図でも、使用方法によっては申請なしで利用できます。

<出典明示して利用できる(申請不要)>
   刊行物の場合、1ページに対する画像の大きさや、Webページに載せる画像の大きさで、
   申請が必要ななる場合がありますので注意が必要です。

<出典明示をしなくても利用できる(申請不要)>

 これらは、「承認申請Q&A」のページがわかりやすく書いてあるので、参照してください。


二次利用する場合には?

 すでに「使用」や「複製」された地理院地図を、二次利用する場合には、
元の地理院地図と同じ条件で、申請が必要かどうか決まります。

 つまり、「刊行物に少量の地図を挿入した地図画像」(申請なしで出典明示)したものを、
インターネットに載せる場合には、画像サイズによって複製の申請が必要になります。


Web地図で利用する場合は?

 OpenlayersやLeafletなどのWeb地図の背景に地理院地図を使う場合は、
地理院コンテンツの利用規約が適用され、出典明示で利用できるようです。(多分)

 これは、動的に地図を切り替えることが可能で、
ズームレベル、表示範囲も自由に変更できる状態であることが必要です。



以上、地理院地図の利用規約について、少しまとめてみました。
もしかしたら間違っているところもあるかもしれませんので、その際はコメントください。




QGISの解説本が最近多いよ

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当ブログでもQGISの解説書を公開していますが、
「QGISマニュアル」はVer1.8対応なので少し古いです。
「QGISで森林GISマニュアル」は、Ver2対応ですが、現在(2015年9月)では、
QGISはVer2.10.1となっており、画面の表示や機能が追加されていたり、
少々こちらも古くなってきています。

以前までは発売しているQGISの解説本もVer1.x対応が多かったですが、
最近はVer2対応の解説本も増えてきました。

私の記録用としても、ここで一度まとめておこうと思います。


■[オープンデータ+QGIS]統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方


bousaiGIS.jpg

行政機関などで公開されている「オープンデータ」を、QGISを使って視覚的にわかりやすく表現する方法を解説されています。
いくつかの章に分かれて様々なデータの扱い方が書かれていて、非常にわかりやすいです。
GISの基本や座標参照系などもわかりやすく解説されています。

ある程度QGISを使ったことのある人が、もう一歩地図表現を勉強するのにいい本です。



■QGIS入門 第2版


GISnyuumonn2.jpg

QGISを初めて使うかたに、まずQGISがどのようソフトなのかわかりやすく説明している解説本です。
第1版は日本で一番初めに発売されたQGISの入門書で、2015年9月にVer2に対応した第2版が発売されました。


■フリーソフトでここまでできる 実務に使う林業GIS


ringyouGIS.jpg

QGISを林業で使うために様々な技を紹介している本です。
GoogleEarthとの連携や、GPSの利用方法なども紹介しています。
林業に特化しているので、林業者にはわかりやすい本となっています。


■QGIS自習室(Kindle版)


GISjishuusitu.jpg


AmazonのKindleのみで発売している解説本です。
目的別に分けて発売されていて、一冊100~300円ほどです。
全部買っても1000円しません。


■使ってみよう!QGIS利用ガイド


QGISriyougaido.jpg

Amazonで発売されているQGIS解説本。
2015年9月から発売されていて、「01準備編」「02レイヤ操作編」「03レイヤスタイル編」の3冊が発売されています。
今後もシリーズが発売されるようです。
こちらも100~300円と安く発売されています。
また、こちらの本は、紙の本のように表示されるので、見やすいと思います。
それにしても「球児巣 史郎(QGIS知ろう?)」って。


2015年10月3日追記
■QGISの基本と防災活用


210745.jpg


北海道大学の橋本教授によるQGISの防災活用マニュアル。
QGISを利用した防災情報の分析方法などを詳しく説明しています。
特に津波浸水データを利用して様々な分析、ハザードマップの作成など
詳しく説明しています。
最新のQGIS2.10.1で説明しています。




紙でも発売されている書籍は基本的に高いですが、
Kindleで発売されている本は非常に安いですね。

もちろん、このブログのように無料で公開されているマニュアルもありますし、
Web検索で使い方を調べることもできます。

今後もたくさんのQGIS解説本が発売されて、
色々選べるようになればいいですね。


QGISで赤色立体地図っぽい地図を作る

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赤色立体地図というのをご存知でしょうか?
千葉達朗さんという火山研究者の方が考えだした地図なのですが、
ものすごく立体的に見える赤い地図です。
赤色立体地図の調整方法は、アジア航測が特許を持っているとのことです。

赤色立体地図は、傾斜の急な部分を濃い赤にして、
標高の高いところ明るく、低いところを暗くするとできるとのことです。

なので、QGISでそれっぽいのを作ってみました。
本当のレンダリング方法ではないので、
アジア航測の作る地図のようにはっきりとした凹凸は
表現できていないかもしれませんが、
それっぽくはできています。

Image 2015_09_26_132304.jpg



1.標高DEMデータを準備する
  • 国土地理院の基盤地図情報から標高DEMデータを作成します。
    作成方法は、こちらに記載してあります。


2.標高DEMデータから傾斜区分図を作成する
  • 傾斜区分図の作成方法は、こちらに記載してあります。
  • 作成するときに「Zファクタ」「0.5」にしておくと、傾斜が強調されます。


3.傾斜区分図のレンダリング
  • 傾斜区分図を選択し、レイヤのプロパティを開きます。
  • 「スタイル」を選択し、レンダータイプを「単バンド疑似カラー」を選択します。
    バンドを「バンド1(Gray)」にします。
  • 色の補間を「線形」にします。
  • 「+」ボタンをクリックして「0」を追加します。ラベルも「0」を入力します。
  • 「0」の色をダブルクリックして、を選択します。
  • もう一度「+」ボタンをクリックし、値を「90」にします。ラベルも「90」と入力します。
  • 「90」の色をダブルクリックして、を選択します。
  • これで傾斜が90度に近くなるほど赤が濃くなるようにできます。

     Image 2015_09_26_125410.jpg



4.標高DEMのレンダリング
  • 標高DEMを選択し、レイヤのプロパティを開きます。
  • 「レンダータイプ」を「単バンド疑似カラー」を選択します。
  • 「最小値/最大値ロード」の「累積個数によるカット」にチェックを付けます。
  • 「精度」の「実際の値(低速)」にチェックを付けます。
  • [読み込み]ボタンをクリックします。
    すると、「新規カラーマップを作成」の「最小」と「最大」に標高DEMの最小値と最大値が入力されます。
    「累積個数によるカット」で値を取得すると、最大値をなんとなく調度良い値を取得してくれます。
     Image 2015_09_26_131742.jpg
  • 「モード」を「等間隔」にして、「分類数」を「3」にします。
  • 色は後で変えるので、カラーマップはなんでも構いません。
  • [分類]ボタンをクリックすると、色リストにデータが追加されます。
     Image 2015_09_26_131943.jpg
  • 色リストの「0」は海ですので水色にします。
  • 色リストの2番めの値とラベルを「1」にしての色をグレーにします。
    グレーは少し濃い目がいいと思います。
    RGBが120~130くらいでしょうか。
  • 色リストの3番めの最大値の色を白にします。
  • カラーレンダリングの「混合モード」を「乗算」にします。

     Image 2015_09_26_131509.jpg


5.レイヤの順番を入れ替え
  • レイヤの順番を、標高DEMを上に、傾斜区分図を下にします。
    標高DEMの「カラーレンダリング」「混合モード」を「乗算」にしているので、下のレイヤの色が上に出てきます。




以上で、赤色立体地図っぽい標高地図ができました。

Image 2015_09_26_132323.jpg
北海道羊蹄山の立体地図


標高DEMの色をいろいろ調整することで、更に見やすい地図ができるかもしれません。
いろいろ試してみてください。
そして良い設定がありましたら教えて下さい。





QGISの属性テーブルを編集しやすくしよう!

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この記事は、「FOSS4G Advent Calender2015 二個目だよ」に登録した記事です。



■ QGISのレイヤのプロパティの「フィールド」

QGISを使っていると、属性データを編集するときが良くありますが、
決まった名称を入力したいとか、選択して入力したいとか思うことが多々あります。
とくに、GISやデータベースを使い慣れていない方々に、データ入力をお願いすると、
さまざまな独自の入力をしてくれるので、いざQGISで分類しようとしたら、
ものすごくたくさんの分類ができたりします。

自由な入力を制限して、決まった語句を入力したり、
画像のファイルのパスを入力したり、チェックを付けたり、
属性テーブルの入力支援を行えるようにするのが、
レイヤのプロパティの「フィールド」の「編集ウイジェット」です。

Image 2015_12_23_152655.png
図 レイヤのプロパティの「フィールド」


私も以前から「編集ウイジェット」の存在は知っていたのですが、
あまり説明しているテキストもWeb上にないものですか、
自分で分かる範囲で説明しようと思います。

編集ウイジェットで設定した項目は、属性テーブルで使えますが、
地物を新規に作成した時の属性データ入力フォームでも使用できます。


■ 通常は「テキスト編集」

通常のフィールドの編集ウイジェットは「テキスト編集」になっています。
これは、普通にテキストや数字を入力するものです。
また、「テキスト編集」では複数行のテキストを設定する事ができます。
「マルチライン」にチェックをすることで、複数行のテキストを入力することができます。
ラベルにも複数行のラベルを表示できます。

Image 2015_12_23_154142.png
図 マルチラインにチェックすると、複数行のテキストを入力できる




■ 「バリューマップ」で決まった語句を入力

「バリューマップ」を使うと、決まった語句をコンボボックスで表示して、
選択することができるようになります。

Image 2015_12_23_154618.png
図 編集ウイジェットで「マルチライン」を選択

Image 2015_12_23_154906.png
図 設定した項目が選択できる


実際に属性データに格納されるのは、「値」に設定したデータです。
「説明」は、選択するときに表示する項目を設定します。
「値」にコード番号、「説明」にわかり易い内容を設定することもできますし、
「値」と「説明」に同じ内容を設定することもできます。

バリューマップの項目は、既存のレイヤや、CSVからも読み込めます。

リストの順序は、説明の順序になり、ABC順、あいうえお順に並ぶようです。



■ スタイルで分類している項目を選べる「分類」

レイヤのスタイルで「分類された」を選択して、分類する項目を設定している場合、
その分類している項目をコンボボックスで選ぶことができます。

Image 2015_12_23_155835.png
図 スタイルで「分類された」を選択し、分類する項目を設定

Image 2015_12_23_155807.png
図 編集ウイジェットで「分類」を選択

Image 2015_12_23_155903.png
図 スタイルで分類している項目が選択できる


■ チェックのオンオフで入力する項目を設定できる「チェックボックス」

チェックボックのオンオフで、入力する項目を設定できます。
チェックした時としていない時の値を設定しておくと、チェックボックスのオンオフで、
決まったテキストや数字を入力することができます。

Image 2015_12_23_160741.png
図 編集ウイジェットで「チェックボックス」を選択

Image 2015_12_23_160809.png
図 属性テーブルでチェックをつけると

Image 2015_12_23_160839.png
図 チェックした時の値が入力される




■ カラーコードを入力できる「色」

属性データにカラーコードを入力できるのが編集ウイジェットの「色」です。
レイヤの編集モードでは、カラー選択ボックスが表示されて、色を選択できます。
フィールドタイプは、テキストで作成します。

※しかし、Ver2.12.1では、色の選択がうまく行きません。エラーかもしれませんので、
バージョンアップでの修復に期待しましょう。

Image 2015_12_23_161705.png
図 編集ウイジェットで「色」を選択

Image 2015_12_23_161948.png
図 属性テーブルで色選択ボックスが表示されます




■ カレンダーから日付を選択できる「日付/時刻」

日付を入力するときには、編集ウイジェットで「日付/時刻」を選択すると、
カレンダーから日付を入力できます。
カレンダーを使う場合には、「カレンダーポップアップ」にチェックを付けます。
カレンダーを使わない場合は、年、月、日を上下スピンボタンで増減させます。

フィールドタイプは「日付」か「テキスト」で作成します。

Image 2015_12_23_162459.png
図 編集ウイジェットで「日付/時刻」を選択


Image 2015_12_23_162537.png
図 属性テーブルでカレンダーで日付が選択できます




■ ファイルのフルパスを入力できる「ファイル」

ファイルへのリンクなどを作成するときに、ファイルのフルパスを属性データに入力することがあります。
編集ウイジェットで「ファイル」を選択すると、ファイル選択ダイアログを表示して、
ファイルのパスを入力することができます。

Image 2015_12_23_163305.png
図 編集ウイジェットで「ファイル」を選択

Image 2015_12_23_163409.png
図 属性テーブルでファイル選択ダイアログを表示させるボタンが表示されます

Image 2015_12_23_163840.png
図 ファイルのフルパスが入力できます




■ フィールドを非表示にする「非表示」

編集ウイジェットで「非表示」を選択すると、フィールドが表示されません。
表示することが不要なフィールドは「非表示」にしておくと、フィールドが見やすくなります。
ただし、編集時に、編集することもできなくなりますので注意してください。

Image 2015_12_23_164037.png
図 編集ウイジェットで「非表示」を選択




■ 画像ファイルのフルパスを入力する「写真」

属性データに画像ファイルのフルパスを入力すると、地図上に写真を表示したりすることができます。
編集ウイジェットで「写真」を選択すると、画像ファイルを簡単に指定することができます。
画像のプレビューも属性テーブルに表示されます。

Image 2015_12_23_164848.png
図 編集ウイジェットで「写真」を選択


画像サイズは任意に設定できますが、「0」にすると、その画像の最適サイズで表示されます。

Image 2015_12_23_165130.png
図 画像ファイルをファイル選択ダイアログで選択できます

Image 2015_12_23_165453.png
図 画像ファイルを選択すると、プレビューが表示されます

Image 2015_12_23_170057.png
図 属性データをフォーム表示するとプレビューが確認できます




■ 「ユニーク値」で一度入力された値を再入力

ほかのデータですでに使われている値をもう一度入力する場合には、
編集ウイジェットで「ユニーク値」を設定します。
「編集可能」にチェックを付けると、まだ入力されていない新たな値を入力することも可能です。

Image 2015_12_23_170744.png
図 編集ウイジェットで「ユニーク値」を選択

Image 2015_12_23_171302.png
図 「編集可能」にしない場合は、全ての値が表示されます

Image 2015_12_23_171340.png
図 「編集可能」にすると、入力した文字に該当する物が表示されます(オートコンプリート)



■ ほかのレイヤの値を利用「値リレーション」

別のレイヤの値を利用したい場合には、「値リレーション」を使います。
編集ウイジェットで「値リレーション」を指定し、参照したいレイヤを選択します。
「キーカラム」は、実際に属性データに格納される値、
「値カラム」は、選択するときに表示されるデータのカラムを選択します。

Image 2015_12_23_172027.png
図 編集ウイジェットで「値リレーション」を選択

Image 2015_12_23_172105.png
図 「値カラム」で設定した値がリストに表示されます

Image 2015_12_23_172433.png
図 実際に入力される値は「キーカラム」の値です



■ 「範囲」で入力する数値を限定

フィールドタイプが整数値や小数値である場合には、編集ウイジェットの「範囲」で、
入力する値を限定することができます。

数値の最小値と最大値を設定すると、数値を選択することができます。
数値の選択方法は、スピンボタン、スライダー、ダイアルを選択できます。


Image 2015_12_23_173426.png
図 フィールドタイプが数値の場合は「範囲」を選択できます

Image 2015_12_23_173459.png
図 スピンボタンで数値を選択します


Image 2015_12_23_173539.png
図 スライダーで数値を選択します

Image 2015_12_23_173642.png
図 ダイアルで数値を選択します



このほかにも、「列挙」「リレーションの参照」「Uuidジェネレーター」「Webビュー」などがありますが、
使い方がよくわからなかったので省略します。
わかる方がいらっしゃいましたら教えて下さい。




わたしは、職場でQGISを普及しようとしていますが、一番の問題はデータの更新です。
データ更新時にいかに共通するデータの入力を行ってもらうかが一番重要で、
施設の台帳などにGISを利用しようとした時に、データの入力方法がバラバラだったら、
一括での分析や検索を行うことができません。

誰が入力しても、ある程度共通のデータを入力できるようにできる「編集ウイジェット」は
使い方によっては非常に強力な機能です。

しかし、説明しているテキストが少ないため、すこしでも同じようなことで困っている方の
参考にされば幸いです。

このブログも更新頻度がものすごく少なくなってしまいましたが、申し訳ありません。
来年はもうすこし更新頻度を上げたいと思います。



わたしは、2015年の4月~9月まで、「現代林業」という林業専門誌でQGISの紹介記事を書いていました。
このたび、現代林業の方から、QGISの本を出さないかということで、現在執筆中です。

職場の許可はまだ正式におりていませんが、多分大丈夫だろうということで、
作業は進めているところです。

内容は林業にとどまらず、QGISの基本的機能や使い方を、逆引き形式で参照できる構成としています。
また、現代林業で紹介した機能の詳しい方法や、それ以外にも林業で使える方法を具体的に説明します。

今のところ3月に出版する計画ですが、もう少し送れるかもしれません。
お楽しみに。

それでは、2015年のいろいろお世話になりました。
2016年も良い年になりますように。
今後も「森林土木MEMO」を、よろしくお願いします。



静岡県の森林情報がオープンデータに!

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静岡県がまたやってくれました!

静岡県では従来から「森林情報共有システム(http://fgis.pref.shizuoka.jp/)」で森林の林小班を公表してきていましたが、
今度はオープンデータとして森林計画図のシェープファイル、森林簿のCSVを2016年3月7日から公開されました。

静岡県「ふじのくにオープンデータカタログ(http://open-data.pref.shizuoka.jp/)」

オープンデータは、出典明示さえ行えば誰でも、いつでも自由に利用できるデータです。

森林計画図の林小班には、樹種や林齢などの情報が保存されています。
Image 2016_03_07_100528.jpg
図:樹種で分類した小班


Image 2016_03_07_101506.jpg
図:林齢で分類した小班

森林簿は、所有者名などの個人情報以外のデータを記録しています。
ここまで出すのは素晴らしいことです。

QGISなどのGISで利用でき、静岡県内の森林関係者、研究者には非常に有用なデータとなるでしょう。
誰でも森林計画や、分析なども行えるようになると思います。

ただし、森林簿はCSVのままだと非常に重く、私のパソコンのQGISではメモリエラーとなってしましました。

そこで、高速に処理できるSpatialiteに変換したデータを作りました。
ドロップボックスに置いてますので、QGISなどで森林簿を使う方は、ぜひダウンロードして下さい。

使い方は、QGISで「Spatialiteレイヤの追加」をクリックし、「新規」ボタンでSpatialiteファイルを指定します。
「接続」ボタンをクリックし、「ジオメトリを持たないテーブルもリストする」にチェックを付け、
「静岡県_森林簿20150331」を選択します。


じつは北海道でも、一般民有林、道有林の森林情報をオープンデータ化するために、事業を進めていました。
多分2016年春くらいには公開できるのではと思いますが、見事に静岡県に先を越されてしまいました。
「全国1番」はやはり違いますね。

北海道でも森林情報をオープンデータ化するにあたり、いろいろ議論はあったそうですが、
このように他県があっさり公開すると、「なんだ」と思ってしまいます。

とにかく、必要な情報を速やかに公開し、利用してもらうというのは非常に重要です。


<追記>
静岡県が公開している森林簿CSVには、計画図のシェープファイルと結合するためのKeyフィールドがありません。
そのため、Keyフィールドを追加したSpatialiteデータを追加しました。
上記の通常の森林簿と同じフォルダに保存しています。






地理院地図のMBTilesの作り方メモ

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タイル地図を1つのファイルで管理でき、QGISやGeopaparazziで利用できる、
「MBTiles」の作り方をメモ。
幾つかの手順があり、忘れそうなので。
尚この手順は、Windowsのみで有効です。ご了承ください。


1.QGISをインストールする


GISをインストールしておきます。
QGIS本体ももちろん使いますが、ここで重要なのは、一緒にインストールされる、

「OSGeo4w Sell」



2.地理院地図のタイルをダウンロードする


地理院地図のタイル画像をダウンロードします。
QGISで「タイルレイヤプラグイン」と「QMetaTilesプラグイン」を使ってもダウンロードできますが、
ズームレベルが場所によって合わないのか、モザイク状になってしまう箇所があるので、
ここでは、「GeopapaofflineTile」というソフトを使います。
何を隠そう、私が作ったソフトです。こちらからダウンロードできます。

QGISでタイルレイヤプラグインをつかって、XYZFreamを表示します。
必要なズームレベルのXY座標をメモして、
GeopapaOfflineTileのリストに入力し、タイルをダウンロードします。
GeopapaOffilenTileの詳しい使い方は、同梱の説明書を参照してください。

タイル地図は、Jpegでダウンロードすることをオススメします。
ファイルサイズが小さくなるので。



3.mbutilを使えるようにする


タイル地図をMBTilesに変換するためのソフトが、「mbutil」です。
コマンドラインで動くソフトですので、少し使い方が難しいです。

まずは、Githubからダウンロードします。
こちらのGithubページを開いて、「Clone or Download」ボタンをクリックし、
zipファイルをダウンロードします。
適当なフォルダに保存し解凍しますが、できるだけ簡単なフォルダのほうが後で楽です。
ここでは、「D:\mbutil」に解凍したとことにします。

次に、mbutilをpythonにインストールします。
この手順は、初めの1度だけでOKです。
QGISをインストールした段階で、Pythonは使えるようになっているはずです。

  1. スタートメニューの「QGIS Essen」の中にある、「OSGeo4w Sell」を開きます。
  2. 「d:」と入力します。
  3. 「cd d:\mbutil」と入力し、対象フォルダを「d:\mbutil」に変更します。
  4. 「python setup.py install」と入力します。
  5. メッセージが表示されて、mbutilがインストールされました。
  6. 正常にインストールされている場合、「python mb-util -h」と入力すると、
    ヘルプが表示されます。



4.mbutilでタイル地図をMBTilesに変換する


GeopapaOfflineTileでダウンロードした地理院地図のタイル画像を、
日本語の含まないフォルダに保存します。
ここでは、「d:\tile」に保存したとします。
「d:\tile」の直下にズームレベルごとのフォルダが有る状態です。

次の手順で、mbtilesに変換します。
dドライブの直下に、「chiriin.mbtiles」というファイルを作成します。
  1. スタートメニューの「QGIS Essen」の中にある、「OSGeo4w Sell」を開きます。
  2. 「d:」と入力します。
  3. 「cd d:\mbutil」と入力し、対象フォルダを「d:\mbutil」に変更します。
  4. 「python mb-util --image_format=jpg d:\tile d:\chiriin.mbtiles」と入力します。
  5. 変換が始まります。(コマンドがたくさん流れていく)
  6. 変換が終了すると、MBTilesファイルが作成されています。
※今回のタイル画像がjpegなので、オプションに「--image_format=jpg」と入力しています。

作成されたMBTilesファイルをQGISにドラッグして、内容を確認します。






QGISでの赤色立体地図の作り方

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 2015年9月の記事で「QGISで赤色立体地図っぽい地図を作る」という記事を掲載しましたが、2016年7月8~9日に開催された、FOSS4G Hokkaidoに参加した際、ある方から「QGISでの赤色立体地図の作り方を見つけたので」と教えていただきました。

ためしてみると、かなり本物に近い地図ができましたので、作成方法をメモ、共有したいと思います。

 ただし、赤色立体地図の作成方法は、千葉達郎氏とアジア航測株式会社が特許をとっている技術ですので、特許権について侵害している部分があれば、コメントなどで教えていただきたいと思います。指摘があれば直ちに修正します。

 この記事に書いている内容は、「地形表現手法の諸問題と赤色立体地図」という論文で公開されている内容を利用しています。


Image 2016_07_11_001211.png

図 北海道羊蹄山の赤色立体地図 



1.必要なデータ



 QGISで赤色立体地図を作成するためには、標高DEMが必要です。基盤地図情報から、必要な地域の「数値標高モデル」をダウンロードします。

 数値標高モデルから標高DEMの作成方法は、こちらを参照してください。

 変換ツールで標高DEMを作成する際に、必ず平面直角座標系で作成してください

 また、標高DEMを保存するフォルダ名、ファイル名には日本語を使わないようにしてください。半角英数字のみのパスでないと、プログラムでエラーが出ます。




2.作成手順



 QGISで赤色立体地図を作るには、次の流れで行います。

(ア) 基盤地図情報の数値標高モデルをダウンロードして、変換ツールを使って標高DEMを作成します。

(イ) QGISで標高DEMを表示して、プロセッシングツールの「Morphometric Protection Index」を使って地上開度図を作成します。

(ウ) 標高DEMをラスタ計算機を使って反転させます。

(エ) 「Morphometric Protection Index」で反転させた標高DEMから地下開度図を作成します。

(オ) ラスタ計算機で地上開度図と地下開度図を計算して、尾根谷度図を作成します。

(カ) 標高DEMから傾斜図を作成します。

(キ) 尾根谷度と傾斜図をQGISに表示して、スタイルを調整し、赤色立体地図を作成します。




3.QGISを使って地上開度を計算する



 地上開度図を作成します。地上開度とは何かは、論文を参照してください。

QGISに標高DEMを表示します。

メニュー「プロセッシング」→「ツールボックス」を選択し、プロセッシングツールボックスを表示します。

※メニューに「プロセッシング」が表示されない場合には、メニュー「プラグイン」→「プラグインの管理とインストール」で「Processing」を有効にします。

検索ボックスに「morp」と入力すると、「SAGA」の中に「Morphometric Protection Index」があるので、実行します。「Morphometric Protection Index」は、地上開度を計算するプログラムです。

「Elevation」に標高DEMのレイヤを選択します。

「Radius」には、計算する距離(論文でいう考慮距離)を入力します。小さいほど処理速度は上がりますが、あまり小さいと必要な値が計算されません。私は「200(m)」としています。
また、元の標高DEMより「Radius」で入力した距離分小さい画像が作成されますので、それを考慮した標高DEMを準備する必要があります。

「Protection Index」の「...」ボタンをクリックし、「ファイルへの保存」を選択し、保存するファイルを指定します。保存するファイルのフォルダ名、ファイル名には半角英数字のみを使用してください。日本語を使うとエラーとなります。

「Run」ボタンをクリックし、処理を実行します。
標高DEMが大きいほど処理時間がかかります。

処理が終了すると、作成された地上開度図が地図に追加されます。




4.標高DEMを反転し、地下開度を計算する



 「Morphometric Protection Index」では、地上開度しか計算できませんが、標高DEMを反転することで、地下開度を計算することができます。

標高DEMレイヤを選択し、メニュー「ラスタ」→「ラスタ計算機」を選択します。
ここでは、標高DEMのレイヤ名が「Hyoukou」としているとして説明します。

「ラスタ演算式」に「Hyoukou@1 * -1」と入力し、「ラスタレイヤ」の「出力レイヤ」の「...」ボタンをクリックして、保存するファイル名を指定します。フォルダ名、ファイル名は半角英数字のみとしてください。

「OK」ボタンをクリックすると、反転された標高DEMがレイヤに追加されます。

反転した標高DEMをプロセシングツールボックスの「Morphometric Protection Index」を使って、地下開度図を作成します。作成方法は「3.QGISを使って地上開度を計算する」と同じですので、そちらを参照してください。




5.地上開度図と地下開度図から尾根谷度を計算する



 地上開度図と地下開度図の値をラスタ計算機で計算して、尾根谷度図を作成します。

 尾根谷度を計算する式は、論文に掲載されています。

   尾根谷度=(地上開度-地下開度)/2

地上開度図と地下開度図をレイヤに追加します。
ここでのレイヤ名は、地上開度図を「chijyou」、地下開度図を「chika」とします。

メニュー「ラスタ」→「ラスタ計算機」を選択します。

ラスタ計算機の「ラスタ演算式」に「(chijyou@1 - chika@1) / 2」と入力します。

「出力レイヤ」の「...」ボタンをクリックして、保存するファイルを指定します。フォルダ名、ファイル名は半角英数字のみ使用してください。

「OK」ボタンをクリックすると、尾根谷度図が作成されて、地図に追加されます。




6.標高DEMから傾斜図を作成する



 標高DEMから傾斜図を作成します。

標高DEMをレイヤに追加します。

メニュー「ラスタ」→「地形解析」→「傾斜」を選択します。

「標高レイヤ」に標高DEMを選択します。

出力レイヤの「...」ボタンをクリックして、ファイルの保存先を指定します。日本語は使えますが、半角英数字のみを利用した方がいいと思います。

「Zファクタ」を「1」にします。「Zファクタ」の「1」より数字が小さいと標高が強調されますので注意してください。

作成されると、地図に追加されます。




6.尾根谷度図と傾斜図をレンダリングする



 尾根谷度図と傾斜図をレイヤに追加し、レイヤのスタイルを設定します。

レイヤの表示順は、傾斜図を尾根谷度図よりも上にしてください。
 なお、ここで説明している色の設定は、あくまでも私の感覚での設定ですので、各自好きに設定していただいて構いません。


<尾根谷図のスタイル設定>

イ) レイヤプロパティの「スタイル」を選択し、「レンダータイプ」を「単バンド疑似カラー」にします。

ロ) 「新規カラーマップを作成」のカラーマップに「Greys」を選択し、「分類」ボタンをクリックします。すると、左のリストに色の設定が追加されます。(最小値と最大値の2行追加)

ハ) 色のリストに「+」ボタンで1行追加して、値「0」の行を作成します。追加した行は2行目に移動して、薄いグレー(できるだけ白に近い灰色)に設定します。
これは、尾根谷図の値「0」は平らな地形の場所で、平らな場所を白に近い色で表示すると、凹凸がわかりやすくなるためです。(個人的感覚です)

ニ) 「OK」ボタンをクリックして、レイヤプロパティを閉じます。


※私の設定:1行目 値=最小値、色=R255、G255、B255 

      2行目 値=0、色=R230、G230、B230

      3行目 値=最大値、色=R60、G60、B60

Image 2016_07_11_001406.png



<傾斜図のスタイル設定>

イ) レイヤプロパティの「スタイル」を選択し、「レンダータイプ」を「単バンド疑似カラー」にします。

ロ) 「+」ボタンをクリックして、色の行を追加し、右から最小値を確認し、「値」と「ラベル」に入力します。最小値の色は「白(R255、G255、B255)」にします。

ハ) 「+」ボタンをクリックして、色の行を追加し、右から最大値を確認し、「値」と「ラベル」に入力します。最小値の色は「やや暗い赤(R182、G20、B20)」にします。

ニ) 「カラーレンダリング」の「混合モード」を「乗算」にします。

ホ) 「OK」ボタンをクリックして、レイヤプロパティを閉じます。


※私の設定:1行目 値=最小値、色=R255、G255、B255 

      2行目 値=最大値、色=R182、G20、B20

 Image 2016_07_11_001335.png




6.他の地図を重ねる



地理院地図などをタイルレイヤプラグインなどで重ねると、更に地形がわかりやすくなります。その場合には、重ねる地図のカラーレンダリングを「乗算」にするか、尾根谷図のカラーレンダリングを「乗算」にします。


 Image 2016_07_11_001806.png

 図 地理院地図を重ねた赤色立体地図(ニセコ イワオヌプリ周辺)






 以上、赤色立体地図の作成方法です。

 尾根谷度図の色の濃さを調整することで、もう少し立体的に見やすくなるかもしれませんし、標高DEMを色別標高図にして、標高別の色分けを行うと、わかりやすくなるかもしれません。

 インターネット上には、幾つかの本物の赤色立体地図が公開されていますので、そちらを参考にして、レンダリングを調整してください。

 質問等がありましたら、コメントでどうぞ。



QGISをインストールしてエラーが出て起動できない場合

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QGISの最新版、2.16.0の32bitスタンドアロン版をインストールした場合、「libintl-8.dllがありません」とエラーが出て、起動できない場合があります。


私はの場合は、職場がWindows7 Pro 32bitなのですが、

2016年7月13日にダウンロードした、Ver2.14.4と2.16.0の32bitスタンドアロン版をインストールすると上記のエラーが出ます。


解決方法は次のとおり


足りないdllファイルは、全てQGISインストールフォルダ内の「\apps\grass\grass-7.0.4\bin」にあります。

何も変更せずにインストールした場合は、「C:\Program Files\QGIS Nebo\apps\grass\grass-7.0.4\bin」です。

ここからエラーメッセージで表示されるdllファイルをコピーして、QGISインストールフォルダの「bin」フォルダにコピーします。

通常であれば、「D:\Program Files\QGIS Nebo\bin」です。


私の場合には、3つくらいのファイルが足りないとエラーが出ましたが、全てbinフォルダにコピーすると、起動しました。


QGIS初心者掲示板でも、同じようなエラーが出でたとの報告があるので、エラーで困っている人がいるかもしれません。

エラーが出た時には試してみてください


QGIS初心者掲示板が使用不能に・・・そして新たに。

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2016年7月28日くらいから、QGIS初心者掲示板がおかしくなってしまいました。
スレッドが表示されなくなり、新規投稿、返信もできなくなってしまいました。

また、いろいろいじっていたら、テンプレートのデザインの部分のファイルも消してしまって、
修復不能になりました。

もともと、この掲示板を運営されている「Lijil」というところは、2010年位から全く活動されていないようで、
問い合わせしても全く答えてくれませんでした。

過去の質問が消えてしまったのは、非常に残念ですが、どうしようもありません。

そこで、新しくGoogleグループに質問グループを作成しました。

今まで、QGIS初心者掲示版を利用して頂いていた方々には申し訳有りませんでした。

新たな質問グループでは、メンバーになると、質問があればメールが届きますので、
質問の回答を手伝ってもいいよという方がいらっしゃいましたら、
是非メンバー登録してください。

よろしくお願いします。



北海道の森林情報がオープンデータになりました!

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2016年8月8日から北海道の一般民有林、道有林の森林情報がオープンデータになりました。

<一般民有林のオープンデータ>

<道有林のオープンデータ>
工事中


小班のシェープファイルと一般民有林は、小班のKMZファイルも公開されています。

樹種や森林の種類はコードで結合することができます。
シェープファイルの座標参照系は、平面直角座標系の旧日本測地系(Tokyo)座標系で、
地区によって11~13系を使い分けます。
シェープファイルには「prj」ファイルが付いていますので、GISでは特に気にすることはないと思います。

北海道在住の方はもとより、全国の皆さんに使っていただきたいと思います。


コードでデータ結合するのはGISに慣れていないと大変ですので、
結合したデータをそのうち公開しようと思います。



北海道森林情報の属性データを整理しました

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2016年8月8日から一般民有林の森林情報が公開されていますが、
小班シェープファイルと森林簿データが別々で、森林簿データがMDBファイルのため、
すこし、処理が面倒になっています。
また、データがすべてコード番号のため、データを見ただけでは、
そのデータの意味を理解することはできません。

そこで、小班シェープファイルにコード番号からデータを結合して、
森林の種類、樹種、林種などを小班シェープファイルの属性データとした、
新しいシェープファイルを作成しました。
下のリンクからダウンロードすることができます。


樹種や森林の種類などの名称がすでに入力されているので、
このシェープファイルをダウンロードするだけで、
簡単にQGISなどで分類することができます。

また、座標参照系が旧日本測地系(Tokyo)だったので、
新日本測地系(JGD2000)に変更しています。

是非活用してください。


CARTOで北海道森林情報を可視化

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北海道の森林情報を、「CARTO(https://carto.com/)」で可視化しました。

どなたでもアクセスすることができます。

CARTOのアップロードできる容量の関係で、4つの地区にわけています。

地図は、主要樹種で色分けしています。小班をクリックすると、林班、小班、樹種、森林の種類などを確認することができます。

GISを使えない方も、簡単に地図を確認することができます。




活用して見てください。




林業xITハッカソンに参加しています

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2016年9月3~4日に札幌で開催されている、

普段は林業に関係のないIT技術者と林業関係者を掛けあわせて、
林業に役立つアプリやプロジェクトを創出しようという、
1泊2日のハッカソンです。

初日は、札幌市定山渓の豊平峡ダム上流の林業現場に行きました。
大型バスが頑張って狭い山道を登ったのですが、
残念ながら途中で側溝にはまってしまうというトラブルが発生!
帰りは2kmの山道を徒歩で戻ることになりました。

普段山で働いている私たちには特になんでもないことですが、
IT技術者の方々には、非常に刺激的な現場だったようです。

IMG_1179.JPG
写真:林業現場でみんなで記念写真!

少し予定が遅れながらも、なんとか札幌のICCに到着しました。

室内では、インプットワークとして、森林管理局のかたと私がお話させて頂きました。

IMG_1189.JPG
写真:インプットワーク

その後、アイデアソンでアイデア出しを行いました。

アイデア出しの流れも私にとっては新鮮でした。

<今回行ったアイデアソンの流れ>
  1. 4~5名1組のグループを作る
  2. 「林業について」というテーマから思いつくことを3つ紙に書く(3分)
  3. その紙を時計回りに回して、他の人が書いたことに関連することでもいいし、関係なくてもいいので、また3つテーマに沿った思いつくことを3つ書く。これを8回繰り返す。(3分✕8回)
  4. はじめに自分の書いた紙をみて、書かれた思いつきから、使えそうなアイデアを妄想する。
  5. 2人一組(できれば話したことのないひと)になり、妄想したアイデアを交互に説明する。これを「スピードストーミング」といい、言われたアイデアに対し、聞き手は必ず「それいいね!」と褒めて、さらにそのアイデアに追加の意見を話す。(3分4回)
  6. 一度席に戻り、妄想したアイデアで、いいと思うものを2~3個ピックアップして、具体的なアイデア(目的と方法など)を紙に書く。(15分)
  7. 各自書いたアイデアを机に並べて、みんなでそれを見て、いいと思うアイデアに星印をつけていく。
  8. 星印が多いアイデアを元に、それを実現したい人たちでチームを作りハッカソンを行う。
    (星が多くなくても、自分がいいと思うアイデアでハッカソンを行っても良い)

簡単に書くとこんな感じです。
大事なのは、「否定しないこと」。妄想したアイデアが、すでにあっても、実現性が低くても、夢物語でも、否定せずそれを実現させるにはどうしたらいいのかを考えることです。

IMG_20160903_163904.jpg
IMG_20160903_171847.jpg
写真:アイデアソンの様子

それでは、どんなアイデアが実現するか楽しみです。
1日では厳しいですが、参加者の皆さんは頑張ってください!



林業QGIS本の出版が遅れてます

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 昨年、現代林業で連載していた「QGISを林業で使う」を、単行本として出版するということをお知らせしていました。以前の記事では、10月ころに出版できるのではと書いていたかもしれませんが、出版が大幅に遅れて、現在「初校」という著者がチェックする段階になっています。それも11月段階で半分しかできておらず、全部の初校が出るのは、12月末か1月はじめになりそうだとのことです。


 IMG_20161103_151614.jpg

  写真:初校の原稿


 本として発売されるのは、2月以降になるかもしれません。

以前の記事を見て、楽しみにしていた方がいらっしゃいましたら、申し訳ありません。


 何日か前に「QGIS初心者質問グループ」回答者の方が紹介されていたのですが、「QGIS逆引きガイド」という本がKindle版で発売されているようです。

全2巻で、目次を見るとかなりいろいろな機能の紹介がされているようです。

 2巻買っても900円ということですが、私の本は安くても3000~4000円にはなると思いますので、こんな安く最新版の紹介をされた本が発売されると、私の本がヤバイですね。


 私の本の発売はまだ未定ですが、発売日等が決まりましたらお知らせしますので、ぜひ手にとって見てください。

林業でQGISを使う実際の事例などもたくさん紹介しています。

よろしくお願いします。



赤色立体地図の作成方法の公開停止

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 本ブログでは、QGISにおける赤色立体地図の作成方法を公開していましたが、この度赤色立体地図の生みの親である千葉達朗氏から、公開をやめてほしい旨の連絡をいただきました。

 その為、赤色立体地図の作成方法の公開についてはやめさせて頂きます。

 個人的に研究する分には、問題ないと思いますので、QGISの操作方法について確認したい方には、個別に対応させていただきたいと思います。

質問のあるかたは、「qgisshitumonアットgmail.com(アットは@に置き換えてください)」にメールを頂ければ、返答します。

ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

今後も「森林土木memo」を、よろしくお願いします。

QGISで「CS立体図」の「立体図」を作ってみた

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 「CS立体図」という地図をご存知でしょうか?

 CS立体図は、傾斜図と曲率図と標高図を組み合わせた地図で、長野県林業総合センターで開発した、微地形を判読しやすくされた立体地図です。


・地形判読を行いやすくする立体図法

http://www.pref.nagano.lg.jp/ringyosogo/documents/iku_cs.pdf

・数値地形データを用いた「微地形図」の作成方法

http://www.pref.nagano.lg.jp/ringyosogo/seika/documents/bichikei.pdf


私も最近知ったのですが、林業の路網選定などには、非常に役に立つ地図のようです。


 長野県林業総合センターでは、ArcGISでの作成方法が紹介されています。この中では、「立体図」と「曲率図」を作成して重ね合わせる手法が紹介されていますが、「立体図」だけでもかなり立体的に見えるので、ここではQGISで作る、CS立体図のうちの立体図の作成方法を紹介します。

 個人的には、赤色立体地図より立体的に見えるのではないかと思います


 Image 2016_11_20_205806.png

  図:ニセコアンヌプリ周辺の立体図


※今回作成する立体図の、曲率については、「Profile Curvature」という計算方法を使用していますが、これが本当に正しいのか、著者はわかっていません。もし他にいい方法があれば情報をください。

「Profile Curvature」で作成した地図は、等高線上の地形のシワが強調されて表現されます。




1. 標高DEMを準備する


  • 標高DEMを基盤地図情報などからダウンロードします。株式会社エコリスの変換ツールを使って標高DEM(Tiffファイル)を作成します。
  • 作成したファイル(merge.tif)は、日本語を含まないフォルダ、ファイル名にして保存します。



2. QGISのレイヤに標高DEMを追加する


  • 標高DEMをQGISに追加します。標高DEMのファイルをマップキャンバスにドラッグ&ドロップするとレイヤに追加することができます。

Image 2016_11_20_214521.png 

  図:レイヤに追加した標高DEM



3. プロセッシングツールで傾斜と曲率を計算


  • プロセッシングツールを使って、標高DEMから傾斜図と曲率図を作成します。メニューに「プロセッシング」が表示されていない場合は、「プラグイン」→「プラグインの管理とインストール」で「Processing」を有効にしてください。
  • メニュー「プロセッシング」→「ツールボックス」を選択して、プロセッシングツールボックスを表示します。
  • 「SAGA」→「Terrain Analysis - Morphometry」→「Slope aspect Curvature」を選択します。
  • 表示されたダイアログの「Elevation」に標高DEMレイヤを選択します。「Method」「Slope Units」「Aspect Units」は、デフォルト設定で構いません。
  • このコマンドは、たくさんのレイヤを作成する事ができますが、必要なのは「Slope」「Profile Curvature」の2つだけですので、それ以外の「アルゴリズムの実行後に出力ファイルを開く」のチェックを外します。
  • 「Run」ボタンをクリックすると、処理が開始され、新しいレイヤ「Slope」「Profile Curvature」が作成されます。

Image 2016_11_20_214422.png 

  図:「Slope aspect Curvature」のダイアログ



4. レイヤを名前をつけて保存する


  • 作成されたレイヤは、一時レイヤに作成されます。そのため、QGISを終了したら削除されてしまいます。
  • レイヤを右クリックして、「名前をつけて保存する」を選択します。
  • 「出力モード」を「生データ」にします。
  • 「形式」を「GTiff」にします。
  • 「パス」の「参照」ボタンをクリックして、ファイルの保存先を設定します。
  • 座標参照形を設定する必要がある場合は、「CRS」で選択します。
  • 「OK」ボタンをクリックすると、ファイルが保存されて、レイヤに追加されます。
  • 元のレイヤ(Slope、Profile Curvature)は削除します。

Image 2016_11_20_220440.png 

  図:「名前をつけて保存する」のダイアログ



5. 傾斜レイヤのスタイルを設定する


  • 傾斜レイヤのプロパティを開いて、「スタイル」を選択します。
  • 「レンダータイプ」を「単バンド疑似カラー」にします。
  • 「色」を「Reds」にします。自動的にリストに数値が分類されます。
  • 「カラーレンダリング」の「混合モード」を「乗算」にします。
  • 「OK」ボタンをクリックするとスタイルの設定ができます。

Image 2016_11_20_222358.png  Image 2016_11_20_222446.png

  図:傾斜レイヤのプロパティのスタイル設定



6. 曲率レイヤのスタイルを設定する


  • 曲率レイヤのプロパティを開いて、「スタイル」を選択します。
  • 「レンダータイプ」を「単バンド疑似カラー」にします。
  • 「色」を「Blues」にします。自動的にリストに数値が分類されます。
  • 今回は、マイナス側を青にしたいので、「反転」にチェックを付けます。
  • 「カラーレンダリング」の「混合モード」を「乗算」にします。
  • 「OK」ボタンをクリックするとスタイルの設定ができます。

Image 2016_11_20_222820.png Image 2016_11_20_222856.png 

  図:曲率レイヤのプロパティのスタイル設定




7. 必要であれば、地理院地図などを背景に追加する


 必要であれば、地理院地図や等高線などを地図に追加すると、地図がわかりやすくなるかもしれません。

 長野県林業総合センターの資料では、標高DEMも重ねていますが、標高DEMは重ねなくても立体的でわかりやすいと思います。


Image 2016_11_20_223435.png 

  図:地理院地図を重ねた立体図



 CS立体図は、赤色立体地図よりも地すべりなどの地形が見やすいように感じます。

 長野県では、1mメッシュDEMを利用していますので、かなりの微地形を確認することができるようですが、基盤地図情報の10mメッシュDEMでも十分地形判読を行うことができます。

 地質図や地すべり位置図などを重ねることで、更に地形判読を行いやすくなると思います。


 

知床半島の立体図(CS立体図)を作成してみた

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 2016年11月19日放送の「ブラタモリ」で、知床の地形について説明していたので、知床の立体図を作成してみた。


 Image 2016_11_21_235655.png

  図 知床の羅臼岳周辺の立体図



 また、2016年8月24日に大雨の影響で、羅臼において土砂崩れが発生しています。

 


この箇所の地形を立体図でアップにしてみました。10mメッシュですので少し荒いですが、地形がよくわかります。

 土砂崩れした箇所は、マウスカーソルの十字がある場所です。

 QGISのプロセッシングツール「SAGA」→「Slope aspect corvature」コマンドで作成できる様々な地図を傾斜図に重ねてみました。


 Image 2016_11_21_235759.png

  図 傾斜図(Slope)のみ


 Image 2016_11_21_235934.png

  図 傾斜図(Slope)+Profile Curvature


 Image 2016_11_22_000042.png

  図 傾斜図(Slope)+Longitudinal Curvature


 Image 2016_11_22_000202.png

  図 傾斜図(Slope)+Maximal Curvature


 Image 2016_11_22_000734.png

  図 傾斜図(Slope)+Cross-Sectional Curvature


 Image 2016_11_22_000844.png

  図 傾斜図(Slope)+General Curvature



 どうでしょうか?

 様々な立体図で見ると、土砂崩れした斜面の上流部には、沢地形があり、崖の手前で大きく南に曲がっています。かなり水の集まりやすい地形ですね。

 このような地形は、大規模な土砂崩れが発生する可能性が高いので気をつけなければいけません。特に北海道の海岸沿いで、隆起した地形はこのような地形が多いかもしれませんね。

 立体図で見ると、このような地形がよく分かるのでいいですね。


 「Cross-Sectional Curvature」や「General Curvature」で見ると、隠れた水道(みずみち)も地図で見ることができるようですね。


 このような立体図は、10~30分程度で簡単に作成することができます。


 災害後の復旧計画にも、立体図を参考にすることができそうです。基盤地図情報の10mメッシュでも十分使えそうですね。


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