現在、国土地理院の地図は、地理院地図として地図タイルで利用できるようになっています。
この地理院地図の地図タイル画像(「地理院タイル」といいます)を利用するために、
利用規約があるのですが、イマイチわかりづらいということで、
わかりやすまとめてみようと思います。
ただし、国土地理院に確認した事項もありますが、私がWebサイトを読んで、
理解した項目もあるので、実際に利用するためには、国土地理院にお問い合せください。
地理院コンテンツとは?
まず、利用規約を読んでわかりづらいのが、「地理院コンテンツ」という言葉です。
地理院コンテンツとは、国土地理院が提供するデータのことです。
地理院地図のタイル画像、空中写真、基盤地図情報のダウンロードデータなど、
国土地理院のホームページでダウンロード出来るデータが、すべて「地理院コンテンツ」です。
利用規約は、すべての地理院コンテンツに共通する事項が記載されています。
出典明示だけで地図が使えるのか?
一見、利用規約だけ見ると、出典明示だけで地図が自由に使えるような気がしますが、
実はほとんどの地図は自由には使えません。
そこには、利用規約に書いてある
「4) 個別法令による利用の制約があるコンテンツについて」
が適用される地図があるためです。
「個別法令」とは、おもに「測量法」です。
測量法の「29条(使用)」と「30条(複製)」に関する事項が適用され、申請が必要となります。
基盤地図情報などは「基本測量成果」なので、当然測量法に基づく申請が必要になります。
そして、地理院タイルも元は基盤地図情報を使っているものは、「基本測量成果」なので申請が必要です。
どの地図が基本測量成果なのか?
では、地理院タイルのどの地図が「基本測量成果」を使用しているのでしょうか?
これは、地理院タイルの一覧で確認することが出来ます。
この一覧で、緑色になっていて、備考欄に
「この地理院タイルは基本測量成果(名称:電子地形図(タイル))です。」
と記載されている地図が、すべて基本測量成果です。
「標準地図」、「淡色地図」は、基本測量成果ですので、使用または複製の申請が必要です。
申請なしで利用できる範囲
上記のような基本測量成果を利用した地図でも、使用方法によっては申請なしで利用できます。
<出典明示して利用できる(申請不要)>
刊行物の場合、1ページに対する画像の大きさや、Webページに載せる画像の大きさで、
申請が必要ななる場合がありますので注意が必要です。
<出典明示をしなくても利用できる(申請不要)>
これらは、「承認申請Q&A」のページがわかりやすく書いてあるので、参照してください。
二次利用する場合には?
すでに「使用」や「複製」された地理院地図を、二次利用する場合には、
元の地理院地図と同じ条件で、申請が必要かどうか決まります。
つまり、「刊行物に少量の地図を挿入した地図画像」(申請なしで出典明示)したものを、
インターネットに載せる場合には、画像サイズによって複製の申請が必要になります。
Web地図で利用する場合は?
OpenlayersやLeafletなどのWeb地図の背景に地理院地図を使う場合は、
地理院コンテンツの利用規約が適用され、出典明示で利用できるようです。(多分)
これは、動的に地図を切り替えることが可能で、
ズームレベル、表示範囲も自由に変更できる状態であることが必要です。
以上、地理院地図の利用規約について、少しまとめてみました。
もしかしたら間違っているところもあるかもしれませんので、その際はコメントください。